《バンクシー展》
タイトル: バンクシー展 天才か反逆者か/BANKSY.GENIUS OR VANDAL?
横浜駅東側すぐで今やっているバンクシー展を4連休最後の日曜日に観に行きました。(7月26日)
ストリートアートというイメージとは違い展示品のほとんどは版画。エッチング(?)の細やかな線はペンキで大胆に短時間に壁に描く即席アートとは正反対。手先の動きをどう使い分けて両者のアートを描くのか自分の想像の域を遥かに越えていた。
考えてみれば確かに街中の建物にペイント画をゲリラ的に描いてもそれだけでは身銭になるわけではないしキチンと飯の種があるのは極々自然なこと。ストリートアートが宣伝にもなり芸術家のプロフィールにもなる。逆に、精緻な版画を描くことでいろんな使い分けが新たな創造力を掻き立てるのかも知れないなと勝手気ままに妄想した。
テーマは消費、政治、抗議といったところ。
内容の割には怒りとか諦観とかを感じる作品は見当たらず、むしろアートで人々に訴えかけるのが自分の役割だ、社会に問題提起するのがオレの役目だと胸を張っている様に思える。
下記のURLから解説を聞きながら見るのも良し。(スマホ📱とイヤホン🎧必携、ただし真面目に聴くととてつもなく時間がかかる)
解釈や講釈なんかいらねーという方はそのまま何も持たずに観るも良し。
ただし、描かれているメッセージを読み解くにはその背景である作者の属する社会や文化、時代背景を理解しておく必要がある。
こう書いてきてふと映画『シン・ゴジラ』を思い出した。東京の品川辺りで自衛隊のヘリからゴジラに攻撃をかけようとするその瞬間、逃げ遅れ取り残された老人の姿を認め結局攻撃中止が命じられるというシーンがある。このシーンを観てすぐ思い出したのが1970年代日航機ハイジャック事件に際し当時の福田首相が言った言葉、
「人の命は地球より重い。」
だ。この発言に対する日本国内の反応や批判、その後の社会動向など社会的影響は良くも悪くも計り知れないものだったと思う。
その後映画の批評で同じ出来事を想起したと書いてあるコラムを目にした。おそらく映画のシナリオを書いたライターもそれを間違いなく意図していた。こういった連想は日本の文化や日頃の報道、社会動向などをある程度以上知っていなければ映画の意図する受けとめや解釈に至らない。
目の前の取り残された老人を助けることでゴジラへの攻撃が不可能となりその後のもっと拡がる被害へとつながる大きな矛盾を暗示しているのだ。
バンクシーの絵画もやはり同じで欧米の社会の空気感をそのバックグラウンドと共に理解出来なければ作者の意図をスルーしてしまう。
もっともいったん出来上がった作品は作者の意図とは関係なく一人歩きする運命にあると考えるなら背景も関知せず一切のバイアスを排除してなんのこだわりもなくただ感じるものを味わえば良い。
4連休最後の日の午前中は観覧する人も多くいわゆる密ではあった。入口で係りの方から背負っているリュックを胸に回せと言われたし。(まるで満員電車🚆に乗る格好❗️)
横浜では9月27 日まで。続いて大阪に場所を移し年明けまで開催される。
事前知識ほとんどゼロで観て来た。これからはこの人の作品は普通に情報として入って来る様彼のInstagramも早速フォローした。
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