年齢と共に血圧は上がるのが自然である。

General

高血圧の基準は現在

140/90 mmHg 以上

とすることとなっている。

From WHO(World Health Organization) HP dated 16 March, 2023.

“Hypertension (high blood pressure) is when the pressure in your blood vessels is too high (140/90 mmHg or higher). It is common but can be serious if not treated.

ところが、かつての医療現場で教えられる高血圧の基準値は年齢プラス90〜100(上)だったそう。つまり、

60歳なら150〜160mmHg、

70歳なら160〜170mmHg、

80歳なら150〜160mmHg

ということになる。(いずれも上 ー 収縮期血圧 – を指す。)

まず、昔の基準は年齢に沿って基準値が上がる。現在のWHO基準は年齢に関係なく一律の基準値を設けている、そして日本の厚生労働省も年齢に関係なく一律に同じ基準値としている。

非常に違和感のある定義となっている。なぜなら年齢と共に血管は硬くなり血液が流れる内管はコレステロールで細くなっていくからだ。

20年以上造船技師として商船機関部のプラント設計に携わった身として配管屋の立場からこの問題を考えてみたい。

私は医療に関してはズブの素人なので医者の立場で専門的に考えることは不可能だが、一つの物理現象として人間の血管の中を流れる血液と圧力(血圧)の関係を単純に定性的に考えてみる。

〜 定性的に、とは年齢が高くなると血管が小さくなるから○○が高くなって××が低くなって、だから血圧がアップ⤴️するとかダウン⤵️するとかの傾向をとらえる、という意味です 〜

【条件、仮定】

  • 人間は年齢と共に血管の内管が細くなる(dimension/寸法が小さくなる)
  • 年齢に関わらず必要な酸素量は変わらず血液がその酸素を身体全体に送る

【結論】

人間は年齢と共に血管の内管が細くなると血圧は高くなる。

<検討>

心臓が血液を送るポンプの役割を果たしている。ポンプはその入口と出口の圧力差で流体(ここでは血液)を配管(パイプ〜ここでは血管〜)を通じて必要な箇所(内臓や手足など身体中の隅々まで)に血液を流す。その血液が要所要所に流れることで身体が必要とする酸素を送り届ける。その酸素の必要量が年齢と共に変わらないとすれば配管の内径(血管の内側)が小さく細くなれば流速を上げるしかない。

V = π/4 × d2

Q = V × π/4 × d2

Q : 血液の流れる量 (m3/s)〜すなわち身体に送られる酸素量に比例する〜

V : 血液の流速(m/s)

d  : 血管の内管寸法(m)

dが小さくなればそのままだとQも減る。必要なQの量を一定に保とうとするならVを増やすしかない。Vを増やす、つまり高めると圧損(圧力損失)が高くなる。すなわち、心臓から送り出される血液の流速が速まり圧損が高くなる分だけ心臓に戻ってくる血液の圧力が下がる。(注1)血圧の上と下の差である脈圧が大きくなる。下の血圧が一定だとしても上の血圧は上がらないとQの量を確保出来ない。下の血圧が上がるとその分更に上の血圧は上がる。従って、年齢と共に血管が細くなれば血圧が上がるのは自然なことである。

(注1)流速が例えば2倍になると圧損(圧力損失)は2乗の4倍になる。流速が増えれば増えるほど圧損は増えるから必然的に管内の圧力は高くなる。

血管内管寸法が小さくなっても血圧を上げずに同等の数値に保つと必要な酸素が体内に送ることが出来なくなる。特に、脳は酸素が必要なのでその影響は大きい。近年、認知症を発症する人が増えているのはこの血圧を無理に下げていることが原因ではないかとの疑いがあるそうで上記の様に論理的に説明可能である。

<2025年4月21日追記>

今年90歳になる母がおります。

入所している特養(特殊養護老人ホーム)にお願いして担当のお医者さん、特養の薬剤師さん、特養の担当者との話し合いの元血圧降下剤投与を減薬してもらいました。

当初は下記3種類を母は飲んでいました。飲んでいた頃の血圧は上が120程度。

① アテノロール

② アムロジピン

③ カンデサルタン

まずは昨年末から①のアテノロールを止めました。

先月3月には②のアムロジピンを止めました。

①と②を止めて③のカンデサルタンを朝夕飲むだけにして圧は上が120〜160。下は60程度。

特養を訪問する度に元気になって話す母の変化が嬉しいです。

③のカンデサルタンについても投薬を止めることをお医者さんにお願いしています。

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