コピーライター 橋本絢子さんにインタビュー

一般

株式会社ジュビリー代表取締役であり「仕事に直結するプロライター養成塾」主宰する橋本絢子さんに1月下旬都内某所にてインタビューしました。

自分自身を含め脱サラ・独立する30〜50台のサラリーマン向けに、被雇用者である会社員から経営を担う自営業として再出発する際における心構え、気をつけること、更に、物書きとしての姿勢、など押さえておくべきポイントをその道のプロフェッショナルとして聴きました。

 

―――――コピーライターとはどの様な仕事と考えていますか。

 

顧客の消費行動へつながる文章を書く人、書くことを仕事にする人だと考えています。

セールス記事、S E O記事を通じて(お客様のターゲットとする)顧客へ訴えかけて商品を買う行動へと誘う。そのような文章を書ける人がコピーライターだと思っています。

 

 

―――――書き言葉、書く文章において例えば一人称をどの様に表現するか。「私」、「僕」、「自分」などをどの様に設定するか。文末をですます調とするか、である調にするかについてはどの様にされていますか。

 

まず文章に違和感がなければ良いと思います。書く側がムリをすると、それが(読む)相手に伝わります。文章がぎこちなくなるからです。文章のリズムが悪くなることも考えられます。ですから書く人が無理しない様に書くことが求められます。私が書くときはあらかじめキャラ設定をします。お客様のニーズに合わせてケースバイケースでキャラクターを変えてみるのです。そうすることで個々のニーズに対応可能となります。時には一つの文章の中であえてである調からですます調に変えることもします。こうしたノウハウはいわば上級者向きですが、経験を積むことで次第にコツを掴めるようになります。

 

 

―――――個人的なことを書くブログなどと比べて対価(お金)を頂いて書くコピーライターの場合、プロとしての書き方はどう違うのでしょうか。

 

プロのライターとして書く場合、まず、自分の個性を消すことです。なぜなら、クライアントのために書く文章は基本的に、自分以外の誰かになりきって書く必要があるからです。更に、クライアントによって書く個性を使い分けます。実際の仕事に応じてその個性、言わば役柄を変え、書いた文章をお客様に提示します。

最近は「ライター個人の視点で記事を書いて欲しい」と言った仕事を依頼されるケースも増えています。そのような場合であっても、書き手である「自分」は何者なのか。読者にとって、書き手が「自分」であるメリットは何なのか。といったことを意識しなければなりません。誰の目線で書いたのかが分からない文章は、読む価値が分からないからです。

 

当然ながらプロとして対価をいただいている以上、クライアントからご要望があれば、提出した原稿を全て書き直すこともあります。「せっかく書いたのにもったいない」と思っても、その思いは、プロとしては通用しません。自分のブログであれば、時間をかけて書いた記事は残しておきたいと思うでしょう。しかしクライアントに提出する原稿は、どれだけ手間隙をかけても、クライアントの要望からズレていたら無価値なものでしかありません。全身全霊を注いで書いた記事も、クライアントの意図とズレていた場合は、ゼロから書き直す覚悟を持つこと。破壊の先に創造があると信じること。こうした経験を積むことで、自分の引き出しを増やすことができます。

 

ですので(プロライター養成塾の)生徒さんに対しては「量は質に転換する」と伝えています。生徒さんの中には「経験がない」、「準備が出来ていない」などの理由で仕事を受けることにためらう方もよく見受けられます。しかし「習うより慣れろ」という言葉の通り、まずは実際の仕事を受注して場数を踏み、文章を書き続けることをお勧めします。

 

 

―――――養成塾の生徒さんの最初に仕事を受ける前のためらいも心理的に分かる気がします。そのときはどの様にアドバイスあるいは説得しますか。

 

ためらいは「もしかすると失敗するかも知れない」という恐れから来ているのだと思います。これは(日本の)教育の弊害だと考えています。失敗はバツ、ダメであると思い込んでいる人が多いのです。

 

例えば、お医者さんなら治療において失敗は許されないでしょう。しかし、ライターの仕事においては失敗しても死に至ることはありません。お客様に提示した文章が拙くても気に入られなかったとしても書き直すことが出来ますから。

コピーライターという仕事はクリエイティブな仕事なので失敗を恐れていては何も始まりません。

 

私は以前、完成した原稿の文章が全て消えてしまったことがありました。パソコンに保存出来ておらず、ゼロから書き直さないといけなくなったのです。次の日が締め切りの時でした。

 

しかし結果的に、急いで書き直した文章は、元の文章より良くなったのです。

締め切り目前で追い込まれて神経が研ぎ澄まされたのかもしれません。その様な挽回力といった精神力も、伝える文章を書くために大切な要素です。

 

 

―――――仕事においていろいろな出会いがあったと思いますが橋本さんにとって仕事での出会いとは何ですか。

 

仕事での出会いは恋愛や婚活と同じだと思っています。特に、誰と最初に出会うかは大切です。初めて付き合う恋人が良い恋人であれば、それ以下のレベルの人とはその後も付き合わないでしょう。仕事も同様です。

 

実力を正当に評価してくれる優良なクライアントと最初に出会えれば、それ以下のクライアントで葛藤することはありません。優良なクライアントに貢献するために、健全な努力ができるはずです。

 

一方、初期段階で実力を正当に評価してくれないクライアントと出会い、取引を続けたら、相次ぐトラブルで自己肯定感が下がってしまうかもしれません。そのぐらい「誰と最初に出会うか」は大事なのです。

 

 

―――――株式会社ジュビリーを立ち上げて今年(2020年)4月で11年となります。この11年でどの様な変化を遂げたのでしょうか。

 

その時々で伝えるメディアは変えていますが発信内容そのものは変えていません。最初はmixiから始まり、アメブロ、WordPress、Facebookやメルマガとそのプラットフォームを移してきました。最近はYouTubeに力を入れています。

 

元々2013年にYouTubeを開設はしていました。大学では映像学科で学んだのでその経験を初めてYouTubeで生かせたことになります。ブログやメルマガが書き言葉であるのに対しYouTubeは話し言葉になりますが、どちらも読んだり見たりしてくださる視聴者像をあらかじめ想定して作り込んでいくことに変わりはありません。

 

 

―――――個人が起業しても事業を10年以上続けることは大変難しいことだと聞いています。実際、会社を立ち上げても10年以内にその8割は消えていくとか。11年近くに渡り続けてこられた要因あるいは理由は何であると考えていますか。

 

「事業を継続しよう」と決意したことです。

 

元ライブドア社長の堀江貴文氏が以前、著書の中で、事業の目的は「継続すること」もしくは「社会を変革すること」と書いていたのを目にしたことがあります。スティーブ・ジョブズはApple社を立ち上げ、誰にも真似できないものを世に出して、社会を変革してきました。(亡くなった後も)その精神は生きていると思います。そういった意味で、Apple社は「社会を変革する」という目的を達成できていると思います。

 

私自身は「社会を変革すること」はもちろんですが、それ以上に「継続すること」を重要視しています。「大木ほど倒れやすくなる。」という言葉があります。組織を大きくすることで、事業が頓挫するリスクも強くなると思います。

 

私は株式会社を立ち上げましたが、時代が時代が変化しても臨機応変に対応できる、しなやかな若い芽でい続けたいと思っています。そのため事業は規模を大きくせず、リスクをミニマムに抑え、クリエイティブに関わる仕事は基本的に一人でこなしています。そのため、今まで会社を続けられたのだと思います。

 

コピーライターという枠を越えてYoutubeという新たなプラットフォームに踏み込んだ今もその点は変わりません。アップロードする動画のシナリオを作り、構成を考え録画し編集する作業は、全て自分1人でこなしています。(会社として経理や税務の仕事などを税理士さんに依頼はしますが)基本的にアイデアが必要になるクリエイティブ作業は、全て自身でこなします。YouTubeの編集も(手間がかかりますが)人に任せることはありません。実際編集作業は楽しいです。

 

 

―――――その事業を続けられた要因はどの様なところにありますか。

 

続けるためには自分自身が変わり続けなければなりません。そのためには発信すること、発信し続けることを心がけています。発信すれば逆に(情報が)集まってきます。

 

また、私は「自信のある人のところに人は集まってくる」と考えています。しかし、何の経験も持たないうちは、なかなか自信を持つことが難しいかもしれません。そこで、起業初心者の方には「根拠のない自信を持つこと」をお勧めしています。私自身、仕事を始めた最初の頃は、どんな依頼が来ても断りませんでした。経験したことのないことでも「大丈夫です。任せてください。」と引き受け、それから必死に調べて形にしていました。

 

「火事場の馬鹿力」という言葉の通り、人間は追い込まれると通常の何倍もの力が出るものです。そのようにして自分を追い込むことで、いち早く成長することが可能になります。

 

私の生徒さんにも同じ様に、初心者のうちはどんな依頼も断らないこと、「まずは出来ます」と、仕事をする意思表示をすることを勧めています。最初から失敗を恐れていては何も始まりません。失敗しないために最大限にリサーチと準備を行うこと、たとえ失敗しても、人間力で挽回する気概を持つこと。そのような覚悟も、フリーランス起業には必要不可欠なのです。

 

 

―――――戦後から確立し当たり前だと思っていた一つの会社を定年退職まで勤め上げることや終身雇用は今後崩れていくと言われています。実際転職や自立してフリーになることが珍しいことではありません。特に自立して起業する場合において何が必要であると考えますか。アドバイスをお願いします。

 

初めに学校教育の洗脳を解くことが大切だと考えています。

 

私たちは大人の言うことを聞きなさい、(皆と)同じことをしなさいと教えられてきました。これは(戦後直接統治した)GHQが施した教育制度の影響だと思います。今の学校教育においてテストで「まだ教えていない」という理由で解答がバツにされたという話を聞いてショックを受けました。自分で考えることが必要です。これからは特にそう思います。

 

さらに、教育の中で「失敗はダメなこと」と教えられてきました。その考え方が減点主義につながっています。一方、コピーライターはクリエイティブな仕事であり、失敗を通して学ぶことがたくさんあります。失敗を重ねて経験を積むことで成長するのです。失敗を恐れて行動しないでいては、何の成長もありません。

 

 

―――――これからどの様な活動をしたいですか、あるいは予定はありますか。

 

(養成塾の)生徒さんに「自分でやりたいことが分からない」という声が多く聞かれます。その理由を聞くと目の前のことで忙しい、(やりたいことがあっても)お金にならない、といった背景がある様です。(掘り下げて考えると)リスクがないのにリスクを恐れる人が多い気がします。失敗を恐れているのです。(生徒さん、クライアントとの)出会いを通じてこの様な悩みに答えたお手伝いをしたいというのがこれからの自分の課題です。主体的能動的に生きるその生き方を自分がしてその生き方を周りに影響を与える人になれたらと思っています。

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株式会社ジュビリー 橋本絢子 代表

オフィシャルホームページ
https://jubilee-web.biz
https://hashimotoayako.com

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インタビュアー 森田宏
《編集後記》
間違いなかった。最初の感想である。人となりをどの様に言葉で表現するか。どうやってその人からその魅力を引き出すか。そんなことに関心を持つ身としてインタビューは必ずやりたいことだった。その最初の相手を誰にするか。インタビューをすることもされることも何十回、何百回、、、と経験されている橋本絢子さん。両方の立場を熟知されているからだろうか。こちらの質問に対し的確かつ要点を簡潔に過不足のない回答が即座に返って来る。

それだけではない。自営業として活動することは小学校時代から心に決めていたことだという。つまり、幼少の頃から明確な目標を持っていた。そんな橋本さんだからこそだろう。個人のライターとしてだけでなく、同じ志を持つ起業人をサポートする事業へ活動を広げている。そんな橋本さんに個別コンサルティングをお願いしてから2年半。ライターとしての先生、大先輩の背中はまだまだ遠くて小さい。

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考えていること、感じたこと、喋り言葉、話し言葉、そんななんやかやを書き言葉や文章にすることにいつも関心があります。本業は造船、海運を含んだ海事に特化したライターですが、それに限らず本HPやnoteに載せた文章を読んで頂き関心を持って頂いた方、何かかいて見て欲しいと思われた方。ご連絡、ご依頼があれば嬉しいです。

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コメント

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