パラダイムシフト その1

一般

パラダイムシフトとは「その時代や分野において当然のことと考えられていた認識(パラダイム)が、革命的かつ非連続的に変化(シフト)すること」と定義されている。(光文社新書 夏井睦著「傷はぜったい消毒するな」より)

 

スウェーデンの高校生グレタさんがスペインで開かれたCOP25に参加するため大西洋を飛行機を使わずヨットで横断した際の人々の反応を聞いてパラダイムシフトという言葉を連想した。地球温暖化が予想以上のスピードで進み待ったなしとなった現在何が出来るのか。それがグレタさんのテーマなのであるがその一つとして飛行機に乗らないこと、飛行機を使わないことを自らに課している。その報道を受けてそれまでは支持とはいかないまでもある程度共感していた人がなんだか怪しい、まやかしではないかと思い始めたとコメントした。グレタさんに対する印象が変わった理由ははっきりしている。温暖化を阻止するために二酸化炭素の排出を抑制しましょう。そのためには太陽電池を使い云々。なるほどそれなら自分にでも出来る。しかし、、、飛行機を使わずに移動するのは近い距離ならともかく、仕事で遠距離を移動する場合、海を渡る場合など事実上出来ることではない。おや、ちょっと現実的じゃないぞ、この子の言っていること、やっていることは。そうなると何だかそれまでの言動を含め胡散臭くなってくる。そんなところではないだろうか。自分にも分かる。実際、一般的に飛行機を使わずに済むとは思っていない。ただ、彼女の認識からすればCO2を大量に大気中に排出する飛行機を使わないのは当然のことであり、しかも必ずしもそれだけでは十分なことではないのだ。事態は非常に悲観的かつ緊急を要する。その認識が正しいとして考えれば彼女の言動は極めて妥当で当然のことである。そう考えたときパラダイムが変わる時に来ているのかなと思った。すなわち、当たり前と思っている生活を、これまで何の疑問もなく過ごして来た生活を根本から見直す時期が目の前にきているのかも知れないと感じたのだ。

 

話はガラッと変わって明治維新。維新の志士達は若い。時代を変える、変革する人は何故こうも若い人達なのだろうかと日頃疑問に思っていた。もっと歳をとって経験を積んでから周りの人々に影響を及ぼし時代を変えていく。そんな流れの方が自然であり得る様に思えた。だが実際は違う。(例外はあるが)家庭を持たず守るべき立場や地位がない方が動き易い、変革に取り組み易いのだろうか。そんなことを考えていた。

 

明治維新も一つのパラダイムシフトと捉えることが出来る。250年を超える年月を江戸時代として何の変化もなく過ごして来た日本人が幕府を倒して新しいシステムを作る。そんなことを考え立案し作り上げていく。それまで当たり前と思っていた江戸幕府という社会システム(パラダイム)を壊し新しいシステムを作り上げる(シフトする)。それを可能にするのは古いシステムを当然として育ち歳を取った世代には無理なのだ。不可能なのである。古いシステムをもはや時代遅れと感じこれからは別の新しいシステムや考えによりどころを求めねば成り立たないと考える人にしか出来ない。それが可能なのは新しい世代である。若い世代である。生まれたときから環境の変化を肌で感じた世代なのである。

 

革命的かつ非連続的に変化(シフト)するにはこれまで世の中を動かして来た世代では出来ない。今守るべき立場や地位のある人には出来ずこれから世の中を変えるのは次の新しい世代なのである。

 

車、航空機、船舶。移動手段、物流の担い手としてのロジスティックは今後全く新しい発想、役割を元にシステムを完全に根本から見直す時期が近い将来に到来するだろう。

 

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