ビジネスに従事する商船と軍事・防衛に従事する艦艇とは同じ船舶のくくりとはいえ大きく異なる。設計の観点からも当然異なる。同じ船と言いながら構造が異なる。構造だけでなく当然船の中に設置された装備も違う。船の目的が違うのだから装備が違うのは当たり前で分かりやすい。構造が違うのも船の目的が異なることに通じる。艦艇は戦闘地域で活動することを前提又は想定している。船を攻撃されることも有り得る。よって区画を細かく分けて水密区画を小さく細かく設定している。
設計の観点で異なる点として大きいのが設計承認する組織・システムである。日本国内の場合艦艇は当然防衛省の管轄となる。防衛省が艦艇を民間の造船所に発注し設計や建造の承認作業を行う。これに対し商船は発注元の海運会社や船の運航会社などが設計や仕様の詳細についてコメントする。設計の妥当性として専門家の立場から承認するのが日本海事協会などの船級である。平たく言えば保険屋さんだ。保険の立場から船の安全性を保証するのが商船の特徴である。艦艇の船は保険が効かない。戦闘状態の海域で戦闘に参加することを前提として作られる船に保険をかけられないのは当然でこの点が商船と大きく異なる点である。
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