病院船 再び

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Amazonプライムで韓国のドラマを観た。病院船を舞台にしたドラマで病院のない島を巡回する。比較的小さな島々らしく瀬戸内海のはしけみたいで小さな病院船だった。

 

以前病院船のことを書いてみた。地震や台風などの自然災害の多い日本では局地的な災害では機動性のある病院船を国として持つことが有効なのではないかという趣旨で書いたつもりなのだがもう一度考えてみたい。

 

コロナ禍ではどちらかというと局地的というよりどの地域でもまんべんなく大なり小なり被害がある。しかし、ウイルスの様な時間とともに世の中に蔓延していく場合とは異なり自然災害は日本全国をカバーする様な広い範囲に及ぶことは通常考えにくい。なので病院船があればその機動性を生かして災害の起きた現地やその近辺に展開することが出来る。その有事の際に近くの港に接岸出来る喫水であったり車両の出入りを可能にするランプウェイが必要となる。

 

災害派遣を前提とした病院船を持つ場合平時のときにどう活用するかということが問題となってくる。災害のさいときに何も使われなければ維持費にコストがかかる。また、普段使われてない船や施設をいざ使う際に動かなかったり使い方が分からなかったりするので訓練など余計なコストも考慮せねばならない。なので有事のときのみならず何もない通常の平時においても活用されている船が理想である。では平時においてはどう使われるべきか。有事において即応体制が求められるので平時から有事への切り替えにおいて迅速に対応出来る体制となっていなければならない。なので通常は健康診断や人間ドックなどの検査専門の病院としての機能を持たせるのはどうだろうか。人間ドックであればごく短期間の入院も必要となるから有効に入院病棟も使用されることになる。また、有事の際には災害地へ向け港を迅速に離れることが可能となる。検査機関としてのニーズだけで病院船内の稼働率が満足に満たされるかはやや心許ないが全く使われないよりは有効活用になるだろう。

 

平時での活用を前提に病院船を企画するのが大切だが有事の際に災害地域へ迅速に展開するための船の仕様設定が重要になってくる。想定する各地方の港に対し入港可能な喫水や船長を決める。船速は最大20ノットは欲しい。喫水は深くなければ深くないほど入港可能な港が増える。船長も短い方が同じく入港可能な港が増える。一方で、洋上では荒波に耐えうる航海を考慮すれば短いより長い方が有利に働く。ビューフォート4ないし5に耐え得る船長が欲しい。波高4〜5メートルでも航行出来る船として計画したい。(患者が乗船していればこの限りではないが。)この相反する条件のバランスが取れるところを探る必要がある。感覚的には100〜150メートル程度の船長が良いのではないか。

 

船の出入りは人用と貨物用と車両用で適切に分ける。またデッキ上ではヘリポートが有ればなお良い。車両用ではランプウェイは船尾と船側の両側にあるのが理想的である。港では入船でも出船でもどちらでも入港可能となるからである。しかし、船側はどちらか一方にすることもやむを得ない。(多分船のレイアウトを考慮すれば左右両舷にランプウェイを設けるのは難しいだろう。)

 

船内でどの様な医療施設を計画するかは自分は医者でないので分からない。ただ、診察室、各種検査室、治療室、手術室、入院施設などは必要だろう。

 

船の船体部や機関部においては長期の港への係留を前提とした仕様が求められる。特に、ビルジ処理、シーウェッジ処理、ガーベージ関連(廃棄物関連)などについては港側施設とのコネクションを取れる様に企画・計画する。そういった意味において母港はどこにするかは平時の活用法を含め重要なファクターとなる。

 

航行中でも客船とはいかずとも静粛性が求められることから主機は4サイクルディーゼルエンジンとしResilient Mount/弾性支持とする。スムーズな運行が求められることからCPP/可変翼のプロペラとする。

 

最初はコストを掛けずにフェリーの退役船を改造することが現実的かも知れない。

 

 

 

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