ヨット単独航行

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今現在Vendee Globe 2020が行われており鎌倉出身の白石康次郎スキッパーが参戦している。SNSの盛んなこのご時世、Facebook、Instagram、YouTubeでフォロー出来て各参戦しているヨットの現在地が分かりそれを解説したりするサイトもあり2ヶ月余りのこの期間フォロワーは多分それぞれの立場でそれぞれの楽しみ方で満喫している。

 

このレースはフランスの港を出港し単独無寄港支援なしで世界一周しフランスの港に戻ってくるという過酷なレースである。

 

単独ヨット航行というとまず思い浮かぶのが堀江謙一の「太平洋ひとりぼっち」である。学生時代に読んだこの本で単独で無寄港で太平洋を横断するに飲料水をどれだけ積むかなどを悩み考えるくだりがあったのをうろ覚えしている。1960年代の小さなヨットでは今とは比べるべくもない厳しい条件だろうが技術やヨットの規模が変わっても変わらない条件がある。

 

それが単独で航行しているヨットで落水したらもはや終わりということだ。

 

この話のくだりは1月14日付けのポッドキャスト「辛坊次郎ズームそこまで言うか!」で話しがあった。辛坊次郎キャスターによると最近の(最新の?)ヨットに装備されているGPSは落水するとヨットの同乗者がボタンを押して「救助モード」になり落水地点までヨットを誘導してくれる装置があるらしい。60年前のヨットにはそんな緊急モードはおろかGPSそのものが存在しなかった。それはともかく辛坊次郎キャスターが堀江謙一さんに聞いた話しでは太平洋を単独で横断した際救命胴衣を着けてなかったそうだ。「海に落ちたらしまいやねん。救命胴衣を着けてたら死ぬまでに時間がかかって苦しいだけや。」と答えたそうだ。

 

船で一番気をつけること、恐れること、起こしてはいけないことは一に沈没(浸水)、二に火災と思っていた。造船技師としての立場、特に機関部の設計者としての立場でそう考えていたのだがその前にもっと有り得ることとして船から海に落ちるという落水事故を一番気をつける必要があるのだと今更ながら知った。

 

考えてみれば当たり前のことだが小さく狭い空間のヨットで水面が近く水しぶきを普通に常に浴びる環境であろうが、水面上何十メートル上で洋上生活しようが海に落っこちたら終わりという点では大差ない。

 

「板子(いたご)一枚下は地獄」とはよく言ったものだ。

ポッドキャスト辛坊治郎ズームそこまで言うか!2021年1月14日放送分は下記から。

‎Apple Podcast内の辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!
‎ニュース · 2024年

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