21_21 DESIGN SIGHTの企画展、「㊙️展 めったに見られないデザイナー達の原画」を見に行ってきました

一般

友人の勧めで21_21 DESIGN SIGHTの企画展、「㊙️展 めったに見られないデザイナー達の原画」を見に行ってきた。出展しているデザイナーは建築デザイナー、グラフィックデザイナー、照明デザイナー、空間デザイナーなど。世に知られたデザインの元となった原画や試作の模型、メモなどが展示されている。

 

「めったに見られない」と銘打ってあるに相応しく対象の製品、モノがデザインされ形となっていく過程が垣間見られる展示内容だった。

仕事の途中、過程、プロセスを見せるという試みは面白い。最終形である製品は既に出来あがっている。その途中の過程は断片であり、言わば切り屑だと思えば体系的に残っていないこともあるだろう。ただ、作家としてデザイナーとして製品にしていくプロセスというのは自分の思考の辿った道筋、道順なのでその跡を残しておくことは自然のことでもある。後で跡を辿る。そうすれば次の仕事、製品につながる可能性だってあるのだから。

 

あたり前のことだが、デザインする対象が異なれば過程も異なる。使う道具も異なる。メモをするにはノートとペン、あるいは鉛筆。模型を作るには紙やプラスチックに道具はハサミや定規になる。一言でデザインと言っても目指す製品によって考えたり試作したりする途中の方法はさまざま。その違いを展示品が分かり易く示している。展示コーナーの冒頭でその見方のポイントをアドバイスしている説明書きを頭に入れて見ると参考になる。

 

特に印象に残ったのは建築家「内藤廣」のメモだった。デザインするためのプロセスとしてというより思考のプロセスとしてメモされた抽象的な概念をスケッチしているものが多い。東北大震災のオマージュとして亡くなった方々の人数分の赤い点をまるで写経の様に書いた(?)ものを見たときこの様な祈りの様な表現の仕方があるのか!と思った。

 

これは展示を見る前にイメージしていたものとはかけ離れていたことが強い印象になったのかもしれない。なかにはイメージ通りの展示もあった。パーツから組み合わせて全体像がはっきりしていく絵がはっきり分かる。知っているデザインだとなおのこと親しみも手伝ってなるほどと思う。(分かった気になっているだけ?)ヘルプマークやヤクルトの容器などがそんな感じであった。

 

デザインする過程を目の当たりにして振り返る自分の思考。ふとかつて父から言われた出来事を思い出した。丸い腕時計しか持っていない自分に対し「一つぐらいは四角の時計を持っておいた方がいいよ。」と言って渡された時計。時計を見て何か抵抗か違和感があった。それでも試しにつけてみるとさほどでもない。時間と共に馴染んでいく。先入観を捨てまずは試してみる。これだと最初から決めつけずにいろいろ試してみる。当てはめてみる。そんな試行錯誤が大切なんだと改めて知った展示だった。

 

 

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