3級課長

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興味がないと情報は集まらない。情報がないと疎くなりますます興味が無くなる。

 

28年会社勤めをしていた。関連会社に出向したり海外派遣されたりした期間もあるがそれも含め28年三菱重工に勤めた。会社には役職がある。平社員から始まり主任、係長、主務あるいは主席、課長、次長、部長などあり、主務あるいは主席以上は管理職となる。そんなのは分かり切っている。対外的にも社内的にも分かる役職はわかり易い。なのだが、その役職とは別に等級というものがある。1級から始まり2級、3級と上がっていく。1級は平社員である。2級は主任、係長、主務、主席、課長あたり。次長、部長クラスで3級となる。

 

ところが、必ずしも役職と等級は1対1対応しない。その象徴が3級課長である。普通課長は2級である。次長になってから3級になるのが普通。なのだが、課長在籍が長くなり役職は変わらないものの等級のみが2級から3級へ上がることもたまに有り得る。その場合課長のまま等級のみが上がり、2級課長から3級課長となる。

 

こういうケースは希有らしく3級課長と言われた。他の場合はあまり言わない。例えば、3級次長とか3級部長というフレーズは聞いたことがない。この3級課長を職場の若手が「産休課長」と勘違いして長いこと?となっていた。上司であるうちの課長は新婚でもないし子供は既に高校生なのに産休??、どういうことだ??という訳である。この誤解が職場で笑い話になった時自分は笑えなかった。40台にして若手と会社の出世のシステムに関しての知識は大して変わらなかったからである。3級課長の意味を知ったのも職場の若手とそうタイミングは変わらなかった。

 

今思い返しても自分らしいというか、その手のことには関心がなかった、興味がなかったなとつくづく思う。

 

三菱重工は自分が入社した平成3年の頃と退職した平成30年では日本国内でのステータスは随分変わったがそれでもまあ一応大企業と言えるだろう。その大企業は社内のヒエラルキーははっきりしていた。出世のシステムもきちんと組織化していた(と思う)。役職が上がる際には人事評価の点数もある規定以上の数値でなければならない。自分が管理職になる直前上司から「もう少しこっちがお前を(点数を)評価出来る様に気を使え!」とたしなめられたことがある。出世のためにアピールしないどころか背を向けていた様に見えていたらしい。(出世に関心はなかったのは確かだが、給料が上がるのは嬉しかったというのが正直なところ。)

 

 

振り返って出世に関心が無い分、自分の思うまま言いたいことを言って結構好きに仕事が出来た気がする。商船機関部の設計に一貫して従事してきた。一言で機関部の設計と言っても、初期計画、機関部仕様書作成、対外折衝、性能計算、機器仕様書作成、詳細設計、艤装品購入、推進軸系設計、海上運転法案作成、海上運転取りまとめ、アフターサービスと一連の業務を経験出来た。アルファベットで分類された課内の業務4つの種類J、R、S、AのうちJ、R、Sの3つを経験させてもらった、上司や同量、後輩、部下でこれほど広範囲に業務を経験出来た人はいないだろう。いたとしても1人か2人ぐらいだ。平成の時代は世界における日本の造船業のプレゼンスはどんどんと落ちに落ちたが個人的には楽しく仕事が出来たとつくづく思う。

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